沿革
沿革と組織
本専攻は平成5年(1993年)におこなわれた工学研究科化学系の大学院重点化改組により設立され、下図のように現在の1専任講座(先端機能高分子講座)、2基幹講座(高分子合成講座、高分子物性講座)、2協力講座(高分子設計講座、医用高分子講座)の体制となりました。
新組織には、旧工業化学教室、旧高分子化学教室、旧合成化学教室より14の研究室が参加し、その結果、世界でも有数の、わが国最大の高分子研究教育機関となりました。最も多数の研究室が参加した旧高分子化学教室は、昭和16年(1941年)に設立された繊維化学教室を前身としています。
図-1 高分子化学専攻を構成する研究室
高分子化学は、基礎学問としての物質科学と、社会的ニーズを背景とする応用科学とが融合した学問分野であり、基礎-応用、合成-物性、理論-実験、有機-無機、ミクロ-マクロ等々、さまざまな視点において幅広いスペクトルをもつ学問分野です。
したがって高分子化学専攻では、基幹講座として合成講座と物性講座を配し、8研究室が有機的に結びついて高分子化学研究をおこなうとともに、いくつもの他部局に協力講座(化学研究所:3研究室、ウィルス・再生医科学研究所:2研究室)を有し、相互の協力関係によりネットワーク研究体制を組織しています。
本専攻は、このように幅広い高分子化学の各分野において、トップレベルの研究者が集まり一専攻を形成した組織であり、一分子の精密合成から集合構造、さらにマクロ物性・機能に至る高分子物質の総合的研究に当たることにより、世界の高分子化学の指導的役割を果たしています。